LIFE 国保中央会移行──7月31日までにやる3点【2026】
7月31日。これが、介護のLIFE関連加算を止めずに済む最終ラインだ。
8月1日からは、新しい国保中央会運用のLIFE(科学的介護情報システム)への移行を終えていない事業所から、加算が剥がれていく恐れがある。
今日はこの移行を、うちのクライアントで先行対応した順序に沿って、介護施設の経営者が金土の2日で固めるべき3点に絞って書く。
移行の期限は、思っているより1か月早い
厚生労働省は2026年3月23日付の介護保険最新情報 Vol.1484で、LIFEの運営主体を厚労省から公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)へ移管すると周知した。新しい「国保中央会運用LIFE」は2026年5月11日に稼働を開始している。
移行期間は2026年5月11日から7月31日まで。この期間中に旧LIFEから新LIFEへの移行作業を完了していない事業所は、LIFE関連加算を継続して算定できないことになる。さらに4月21日付の介護保険最新情報 Vol.1495で「事業所・施設で必要な対応」が具体的に示されている。
うちのクライアントで、特養と老健を運営している介護施設のA理事長から「7月の頭から動けば間に合いますか」と問い合わせがあったのは6月の中旬だった。私の答えは「7月頭はもう遅い」だった。理由は次の章で書く。
カレンダーを見てほしい。7月31日の金曜まで、土日を抜けば実働は5週間を切っている。
最初の壁は、電子証明書のインストールだ
Vol.1495 が示す事業所の必要対応は、整理すると3段階ある。順序を間違えると詰む。
- 電子証明書(介護保険証明書、別名「介護DX証明書」)の取得とインストール
- 厚労省運用LIFEから国保中央会運用LIFEへの移行作業
- 国保中央会運用LIFEでの利用者情報の再登録
1番目の電子証明書が、現場で最大のつまずきポイントになっている。介護ニュースJointでも、移管に関するQ&A公表とデータ提出の留意点が周知されていて、証明書周りの問い合わせが多いと報じられている。
新しい国保中央会LIFEは、IDとパスワードだけでログインしていた旧システムと違い、電子証明書でログインする方式に変わった。なりすましや不正ログインを防ぐためで、設計としては正しい。ただし現場の介護現場では「証明書って何ですか」「PCのどこに入れるんですか」というレベルから始まる事業所が普通にある。
うちが先行支援した介護施設では、証明書の取得申請からインストール完了まで、事務局が他の業務と並行で動いて10営業日を見ておくのが安全だった。役所側の発行が混み始める7月後半に申請を出すと、間に合わない事業所が出る。これが「7月頭はもう遅い」と私が言った理由だ。
利用者情報は『移管』ではなく『再登録』だ
2番目の落とし穴は、ここに集中している。
移行作業で新LIFEに引き継がれるのは、アカウントのIDとパスワード、そして事業所情報までだ。厚生労働省のLIFEページと日本訪問看護財団のVol.1484解説を読むと、利用者情報や過去の様式情報は引き継がれない。新LIFE側で、利用者を1人ずつ再登録する必要がある。
これが何を意味するか。仮に入所定員80人の特養なら、80人分の基本情報・ADL・栄養・口腔・認知症・既往歴を、新LIFE側でもう一度入力する作業が発生する。1人あたり10分でも、80人で800分。13時間以上だ。
A理事長の施設では、6月後半の週末に介護記録ソフトのCSVエクスポート機能を使い、現場の介護士ではなく事務局が一括処理する段取りに切り替えた。これでも丸2日かかった。1人ずつ手入力で対応すると、現場の業務時間を食う形になる。
もう1点。LIFEへのデータ提出を3か月ごとに行うことが、科学的介護推進体制加算をはじめとするLIFE関連加算の算定要件になっている。移行作業中に提出タイミングを跨ぐ事業所は、現場と事務局でスケジュールを共有しないと提出漏れが起きる。
8月1日以降に何が起きるのか
旧 厚労省運用LIFE の本番環境は、2026年9月1日に停止予定とアナウンスされている。つまり7月31日までに移行を終えていない事業所も、8月いっぱいは旧LIFEに辛うじてアクセスできる窓は残っている計算になる。
ただし、これは「8月いっぱい余裕がある」という話ではない。Vol.1495 の文面では、加算継続算定のための移行作業完了期限が7月31日と明示されている。8月以降に駆け込み移行をしても、その月のLIFE関連加算の取り扱いについて自治体から疑義を出される可能性は十分にある。
うちが見ている範囲では、移行作業を6月末までに「電子証明書取得まで」、7月の最初の週に「事業所情報移行まで」、7月中旬までに「利用者情報の再登録」を終える、という3段階のスケジュールが現実的な目安になっている。
この記事を金曜の夜か土曜の朝に読んでいる経営者は、まず月曜の朝イチで事務局に「うちは電子証明書、もう申請したか」と聞いてほしい。答えが「まだです」だったら、来週の優先順位を一気に組み替える価値がある。
1か月後の8月のシフト表に「LIFE再登録」と書き込まれていない施設は、来月、間違いなく現場が混乱する。
出典・参考情報
- 科学的介護情報システム(LIFE)について(厚生労働省、確認日:2026年6月27日)
- 介護保険最新情報 Vol.1484「科学的介護情報システム(LIFE)の運営主体の移管に係る周知について」(厚生労働省老健局、2026年3月23日発出、確認日:2026年6月27日)
- 介護保険最新情報 Vol.1495「LIFEの厚生労働省から公益社団法人国民健康保険中央会への移管に伴い事業所・施設で必要な対応について」(厚生労働省老健局老人保健課、2026年4月21日発出、確認日:2026年6月27日)
- 介護保険最新情報Vol.1484(公益財団法人日本訪問看護財団、確認日:2026年6月27日)
- LIFEのシステム移管でQ&A公表 厚労省 データ提出の留意点など周知(介護ニュースJoint、確認日:2026年6月27日)
※ 上記リンクは掲載時点のものです。各通知の最新版や追加Q&Aは厚生労働省・国保中央会の公式ページを必ず一次確認してください。
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