LIFE移行 間に合わない 8月10日提出の3確認【2026】
7月31日で終わりだと思っていると、8月10日で詰む
先週の定例ミーティングでのこと。名古屋市内の特別養護老人ホームで、事務長のDさんがノートPCの画面をこちらに向けた。移行作業のチェックリストが並んでいて、いちばん下の行まで消し込まれている。 「これで7月中に終わるので、あとは通常運転ですよね」 その場では頷きかけた。ただ、令和8年7月2日に出た介護保険最新情報Vol.1520を開き直して、こう書いてあるのを二人で読んだ。また、 7月サービス提供分の様式情報につきましては、 令和8年8月10 日までに国保中央会運用 LIFE へ提出が必要であることにご留意ください。移行を7月31日に終わらせても、その10日後にもう一度、新しい環境でデータを提出する作業が待っている。しかも新しい画面で、だ。初めて触る側で締切のある提出をやることになる。 移行を「済ませる作業」だと捉えていると、ここで止まる。移行は「乗り換えたあと、新しい方で提出できるところまで」がひとつのまとまりだ。
8月1日、具体的に何ができなくなるのか
Vol.1520の書き方は、行政通知としてはかなり踏み込んでいる。令和8年7月 31 日までに移行作業を完了しない事業所・施設については、 令和8年8月1日以降、厚生労働省の運用する LIFE へのデータ提出ができず、7月分以降の LIFE へのデータ提出が必要な加算の算定要件を満たさなくなります。「提出が遅れる」ではない。算定要件を満たさなくなるのだ。 対象となる加算は、令和8年4月21日のVol.1495に列挙されている。科学的介護推進体制加算、ADL維持等加算、個別機能訓練加算(Ⅱ)・(Ⅲ)、栄養マネジメント強化加算、栄養アセスメント加算、口腔衛生管理加算(Ⅱ)、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算、自立支援促進加算などが並ぶ。入所系の施設なら、複数本に一度に刺さる並びだ。 厚労省側の運用は、令和8年9月1日にサービス停止が予定されている。7月31日を過ぎたら提出できない。9月にはシステムそのものが消える。 通知には、こうも書かれていた。
令和8年7月2日時点においても、一定数の事業所 ・ 施設においては、移行作業が完了しておりません。厚労省はこの件で、令和8年3月23日のVol.1484、4月21日のVol.1495、5月22日のVol.1504、6月18日のVol.1512と通知を重ね、7月2日のVol.1520で5回目を出している。5回出しても残っている、という状態を役所が文書に書いた。それが今回の再周知だ。
移行が止まる場所は、だいたい入り口の1つだけ
Vol.1520の別紙では、必要な作業が3つに整理されている。① 電子証明書(介護保険証明書/介護DX証明書)の取得及びインストール ② 厚労省運用LIFEから国保中央会運用LIFEへの移行 ③ 国保中央会運用LIFEでの利用者情報の再登録うちが見てきた範囲で言うと、詰まるのはほぼ1つ目だ。それも電子証明書そのものではなく、その手前にある電子請求受付システムのIDとパスワードで止まる。
パスワードを紛失した場合などは再発行が必要です 。再発行にはお時間を要する場合もあるため、お早めにご確認ください。請求業務を担当している職員が退職していて、引き継ぎメモに書かれたパスワードが古い。ログインを3回試して弾かれる。ここで作業が翌週に飛ぶ。残り4日でこれをやると、再発行が間に合うかどうかは運になる。 一方で、通知には作業が軽くなる条件も明記されている。
(電子請求受付システムへログインしレセプト請求をしている、または、ケアプランデータ連携システムを利用している端末と国保中央会運用LIFEで利用する端末が同じ場合、電子証明書の新規取得不要)いつも請求をしているPCでLIFEも使うなら、証明書の新規取得はいらない。ここを読み飛ばして、証明書の取得から始めようとして半日溶かす例がある。まず自分の施設がこの条件に当てはまるかを確認してほしい。
3か月ごとの提出頻度は、リセットされるのか
移行の話をすると、必ず出てくる質問がこれだ。LIFE関連加算には少なくとも3か月ごとの提出という要件がある。運用主体が変わったら、その3か月はどこから数え直すのか。 Vol.1495の別添Q&Aに答えがある。情報提出頻度の少なくとも3月ごとの考え方については、移行前、厚労省運用 LIFE に最後に提出した月から起算して差し支えない。厚労省側で最後に出した月から数えて構わない、ということだ。移行を理由に前倒しで提出し直す必要はない。 様式そのものは、そのまま。
問2 厚労省運用 LIFE から国保中央会運用 LIFE への移行に伴い、LIFE へ提出する様式情報の変更はあるか。 (答) 提出する様式情報の変更はない。つまり、日々の記録の取り方や様式の中身を組み直す必要はない。変わるのは提出先とログイン経路だけ。ここが分かっていれば、現場の職員に説明する内容は5分で済む。逆に「様式も変わるらしい」と伝わってしまうと、無駄な確認作業が現場に増える。
31日を過ぎたあとのことは、通知に書かれていない
正直に書く。「間に合わなかった場合の救済措置」を探したが、令和8年7月2日時点の通知に、それに当たる記述は見つからなかった。書かれていないことを書かない、というだけの話だ。 分かっているのは日付と窓口の話だけ。厚労省運用LIFEのヘルプデスクは、令和8年7月31日まで問い合わせを受け付ける。8月1日以降の相談先は国保中央会運用LIFEのヘルプデスクになる。つまり、31日までに聞いておきたいことがあるなら、聞ける相手がいるのは今週だけだ。 今日から数えて、7月31日まで4日。8月10日まで14日。 やることの順番はこうだ。まず電子請求受付システムにログインできるかの確認。次に移行操作と、利用者情報の再登録。そのうえで8月10日までに、7月サービス提供分を新しい画面から提出する。 Dさんの施設は、あの日のうちにログインまで踏み込んでいる。パスワードは生きていた。ただ、開いてみるまでは誰も生きているとは言えなかった。 あなたの施設は、画面まで見ましたか。出典・参考情報
- 介護保険最新情報Vol.1520「公益社団法人国民健康保険中央会運用LIFEへの移行に係る再周知について」(厚生労働省老健局老人保健課、令和8年7月2日)
- 介護保険最新情報Vol.1495「LIFEの厚生労働省から公益社団法人国民健康保険中央会への移管に伴い事業所・施設で必要な対応について」(厚生労働省、令和8年4月21日)
- 厚労省運用LIFE マニュアル一覧(厚生労働省)
- 国保中央会運用LIFE(公益社団法人国民健康保険中央会)
- 電子請求受付システム ユーザID・パスワード手順書(介護情報基盤ポータル)
- 電子請求受付システム
※本記事は令和8年7月27日時点で公表されている情報に基づいています。取扱いの詳細は必ず最新の通知および各ヘルプデスクでご確認ください。
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