介護情報基盤の助成金が令和8年度も申請スタート——5月7日から、カードリーダー・接続費を最大6.4万円補助
介護情報基盤とは何をする仕組みなのか——「全員が同じ画面を見られる」世界
介護情報基盤とは、厚生労働省が整備を進める情報インフラで、介護保険証・要介護認定・主治医意見書・ケアプラン・LIFEデータといった現場の情報を、事業所・医療機関・市町村・利用者がオンラインで閲覧・共有できるようにするものだ。
法的根拠は令和5年法律第31号(健康保険法等の一部を改正する法律、2023年5月19日公布)による介護保険法改正。スケジュールは以下の通りだ:
- 令和8年(2026年)4月1日以降:標準化対応が完了した市町村から順次、介護情報基盤へのデータ移行・情報共有を開始
- 令和10年(2028年)4月1日まで:全市町村での運用開始を目標
現場の実感として大きいのは、「主治医意見書をFAXで取り寄せる」「ケアプランを紙でコピーして渡す」といった作業が、そもそも不要になる方向性だという点だ。
ただ問題は、この仕組みに参加するためにカードリーダーや接続設定が必要になること。機器を自腹で買い揃えなければならないのか——そう思っていた事業所長が多かったのも事実だ。そこに登場するのが、今週木曜から始まる助成金の話だ。
令和8年度の3つの申請枠と上限額——どの数字があなたの施設に当てはまるか
厚生労働省は2026年4月28日、令和8年度(2026年度)分の助成金について、介護情報基盤ポータルで5月7日(木)から申請受付を開始する旨をアナウンスした。昨年度(令和7年度)に続く継続支援策だ。
上限額はサービス区分によって異なる(消費税込):
- 訪問・通所・短期滞在系(訪問介護・通所介護・訪問看護など):最大6万4,000円(カードリーダー3台まで)
- 居住・入所系(特養・グループホームなど):最大5万5,000円(カードリーダー2台まで)
- その他:最大4万2,000円(カードリーダー1台まで)
一つの事業所で複数のサービスを提供しているなら、各区分の限度額を合算できる。訪問介護+通所介護を同一事業所で運営しているケースなら、上限が積み上がる計算だ。
申請期間は2026年5月7日(木)から2027年3月12日(金)まで。年度終わりまで余裕があるように見えるが、後述する理由から早めの動きが賢明だ。では何を対象に申請できるのか、そこが次の本題だ。
カードリーダーだけじゃない——対象経費は思ったより広い
「カードリーダーを買う補助金でしょ?」と思っていたなら、実は損をしている可能性がある。
助成の対象経費として認められているのは次の2種類だ:
- カードリーダーの購入費:介護情報基盤のWEBサービス(介護保険資格確認等WEBサービス)を利用するために必要な機器。マイナンバーカードを読み取るために使う
- 介護情報基盤との接続サポートに要する費用:クライアント証明書の導入や初期設定を支援業者に依頼した場合のコスト。ケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体的に受ける場合も対象になる
うちのクライアントの一人、介護施設のB理事長は「自力で設定できるか不安で業者に頼んだ」と話していた。その費用も、申請対象に含まれうる。機器だけでなくサポート費も補助の範囲という点は、覚えておいてほしい。
申請窓口は介護情報基盤ポータル(国保中央会運営)。オンライン申請のみで、郵送受付は原則ない。
ただし注意が必要なのは——「5月7日に申請が始まる」イコール「急がなくていい」ではないということだ。
「予算に限りがある」が意味すること——先着順の可能性に備える
厚生労働省のアナウンスには「予算には限りがあるのでぜひ早めの申請を」という言葉が含まれていた。
この一文は軽く流せない。令和7年度の実績を踏まえると、申請が集中した場合に予算が枯渇するリスクがゼロではない。年度末まで余裕があっても、先に申請した事業所から優先的に処理されるスキームであれば、動きが遅い事業所は泣きを見る。
昨年度(令和7年度)は2025年10月から2026年3月という申請期間だった。令和8年度は5月7日からのスタートなので、年間の期間が長くなっているが、それは裏を返せば申請の絶対数が増えるとも読める。
「来月でいいか」が積み重なって気づけば予算終了——というのは補助金あるあるだ。では具体的に何をすればいいのか、次に整理する。
5月7日に向けて今日確認すること3点
難しい話ではない。今週中にやること、3つだけ押さえてほしい。
① 介護情報基盤ポータルのアカウントを確認(または新規作成)
申請は介護情報基盤ポータル経由。令和7年度に申請済みの事業所はアカウントが残っているはず。新規の場合は5月7日以降にポータルで開設できるか確認する。
② 購入予定のカードリーダーと見積もりを手元に
申請の際に購入予定の品名・価格・台数が必要になる。接続サポートを業者に依頼するなら見積書も準備。事後申請(先に購入してから申請)が認められるかどうかは年度ごとに異なるので、購入前に申請を完了させるのが安全だ。
③ 対象サービスの区分を確認
訪問系・通所系・入所系など、自施設の介護保険サービスの種別を再確認する。複数サービスを運営しているなら合算できるため、抜け漏れが出ないよう確認しておく。
私が見てきた施設の多くは、補助金の存在を知らないか、知っていても「後でやればいい」で止まっている。A事業所長も電話口で「知らなかったです。早速確認します」と言っていた。
介護情報基盤は2028年4月に全市町村での運用開始を目指しており、遅かれ早かれカードリーダーは必要になる。どうせ買うなら補助を使わない手はない——そう思う。
出典・参考情報
- 介護情報基盤について(厚生労働省)(確認日:2026年5月3日)
- 「介護情報基盤」導入の助成金、申請受付が始まります! 5月7日から(介護ニュースJoint)(確認日:2026年5月3日)
- 介護情報基盤ポータル(公益社団法人国民健康保険中央会)(確認日:2026年5月3日)
※ 上記リンクは掲載時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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