病床数適正化緊急支援事業 第2回9月30日締切と第3回未定【2026】

410万4千円。病床を1床減らしたときに動く給付の、1床あたりの額だ。

この給付には申請の受付期間がある。第1回は7月14日で締め切られ、第2回と第3回の日程が9月に入って各都道府県へ通知された。

第1回で申請を終えた医療機関に、新しい宿題はない。ただこの通知には、まだ出していない病院と有床診療所にとって見過ごせない一文が入っていた。


確定した2つの締切と、消えるかもしれない第3回

厚生労働省医政局地域医療計画課は、令和8年9月1日付の事務連絡で、第2回と第3回のスケジュールを各都道府県に示した。医療機関に届くのは、県がこれを転送する形の依頼文だ。添付は自動でパスワードがかかったzipで、パスワードは別のメールで届く。日付はこうなっている。

医療機関から都道府県への申請期限都道府県から厚生労働省への提出期限
第2回令和8年9月30日(水)令和8年10月30日(金)
第3回令和8年11月30日(月)令和8年12月28日(月)

見過ごせない一文は、この表の下にある。

なお、申請状況や予算の状況によっては第3回申請を実施しない可能性もあり得ますのでご留意ください。

第3回は、あるかどうかわからない。国がそう書いた以上、まだ申請していない医療機関にとって、確実に受け付けてもらえる便は第2回の9月30日だけになる。残りは4週間を切った。

9月3日の時点で、厚生労働省の事業ページにこの日程はまだ載っていない。県経由の周知が先行している段階なので、県からのメールを別の担当者が受け取ったまま止まっていると、気づいたときには締切を過ぎていたという事態が起きやすい。


第1回で申請した医療機関に、やることはあるか

基本的にはない。第1回は6月23日から7月14日が受付で、県から厚生労働省への提出期限は8月24日だった(令和8年6月22日付事務連絡)。流れとしては、県が申請内容を審査し、医療機関に認定または不認定を通知したうえで、県内の申請をまとめて厚生労働省へ出す。今は国側が中身を確認している段階と読める。

それでも、2つだけ確かめておいてほしい。

1つ目は、県からの認定通知が届いているかどうか。届いていなければ、県の審査がまだ続いているか、通知が院内の別の人のところで止まっている可能性がある。誰が受け取ることになっているのか、この機会に決めておく。

2つ目は、県が独自に求める書類だ。医療機関に届く依頼文は都道府県ごとに作られるので、同封される書類も県によって違う。私が中身を確認した岐阜県版には、第1回のときには入っていなかった「申請内容に関する確認事項」という県様式が加わっていた。実施要綱は、厚生労働省が示す書類のほかに都道府県が必要と認める書類を添えて申請する建て付けになっており、第1回の事務連絡(令和8年6月22日付)も、都道府県が判断のために書類を追加で求められるとしている。第1回の申請分にさかのぼって提出を求められる可能性はゼロではない。求められてから慌てないよう、削減する病床の内訳と削減理由は、今のうちに文章にしておいた方がいい。


県様式が教えてくれる、審査で見られる5つの点

岐阜県の確認事項は、A4で1枚。削減病床数を病床種別と4機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期、休棟等)ごとに書き、削減時期と削減理由を記入する。続いて、次の5つに該当するかどうかを答える。

  • 申請日時点で入院医療の受け入れを行っていない、または削減により入院医療の受け入れを停止する(無床診療所への変更を含む)
  • 令和9年3月31日時点で廃院する予定である
  • 令和9年3月31日時点で事業譲渡等を行う予定である
  • 現に患者が入院している病床を削減する
  • 病床数をあわせて100床以上削減する

1つでも「該当する」を選ぶと、病床削減を実施しても地域の医療提供体制に支障がなく、支給対象と認められる理由を書く欄が待っている。この5項目は、実施要綱で支給対象外とされる条件や、協議の場での議論が必要とされる条件と重なる。県は要綱の急所を、そのまま質問票にしたことになる。

手が止まりやすいのは4つ目だ。稼働中の療養病床を減らすなら、まずここに当たるかどうかを確認することになる。当たれば、医療法第30条の14第1項に規定する協議の場などで議論したうえで削減する手順が要る。入院中の患者をどこへ移すのか、代わりの在宅医療や外来、ほかの医療機関での受け入れをどう調整するのか。ここを用意していないと、そのぶん時間を取られる。


まだ出していないなら、9月中に決める3つ

制度の骨格は4月8日付の実施要綱から変わっていない。今回添付されていた要綱を厚生労働省の公開版と突き合わせたが、一字も違わなかった。主な対象は、令和7年12月16日から令和9年3月31日までに一般病床、療養病床、精神病床を削減する病院と有床診療所。支給額は削減1床につき410万4千円、休床なら205万2千円で、いずれも基金の範囲内での支給とされている。ここでいう休床は「本事業申請時(すでに削減済みの病床については、病床削減時)に休棟中の病棟の病床」を指す。空床が数床あるだけでは休床にならない。予算は令和7年度補正で3,490億円。要件の全体像は6月の記事に書いたので、ここでは第2回に間に合わせるための判断だけを並べる。

1. 減らす病床を、休床から数える。削減する病床と同じ種別の休床があるなら、休床から申請するのが要綱のルールだ。休床を残して稼働床だけを削減し、満額を取りにいく順番は認められない。休床の有無で1床あたりの額が半分になるので、ここを院内で先に確定する。

2. 令和19年3月31日までの増床凍結を、理事会で共有する。給付を受けた日から令和19年3月31日までに病床を増やすと、全額返還の対象になる。例外は、医療法第30条の4第10項から第12項までの規定により知事が病床の増加を必要と認めた場合に限られる。10年以上先まで効く条件を、事務長の判断だけで背負うわけにはいかない。

3. 様式は最新版を取り直す。申請様式は令和8年6月29日に更新されている。第1回の準備で手元に残った古いファイルを使い回すと、差し戻しの原因になる。厚生労働省のページか申請サイトから落とし直して、口座振込申出書と一緒に揃える。

事務連絡の留意事項には、医療法等改正法案への附帯決議が引用されている。「医療費削減ありき、数字ありきではなく、各地域の医療の質の確保を前提とし、人口減少に応じた合理的な病床数削減という考え方の下、その地域の実情や地域の医療提供体制を確保する観点を踏まえ、取り組むこと」。給付金の額だけを見て床数を決めると、県様式の最後の欄で手が止まる。地域で誰がその患者を診るのかを先に言葉にできていれば、県との協議も、申請書のその欄も、そのぶん軽くなる。

第2回の締切は9月30日。第3回があるかどうかは、誰にもわからない。


あわせて読みたい


出典・参考情報


株式会社Reliefのサービスで、事業運営を強力サポート!

株式会社Reliefは、医療機関や介護・福祉・保育施設の運営をトータルサポートする専門企業です。
業界特化型のオンラインアシスタント「セレナ」
月一回からはじめる事務長アウトソーシング「困ったときのじむちょー君」
バックオフィスの業務改善・効率化、MoneyForwardクラウドICT・クラウドDX導入支援
経営課題の解決や業務効率化を実現し、貴社の発展を全力でサポートいたします。

現場の事務負担を減らす自社開発アプリを公開しています。
PC・ソフトの台帳づくりを自動化するIT資産管理ツール(税込7,800円の買い切り・30日間無料トライアル)
社用車・送迎車の記録を一元管理する車両管理アプリ(無料)
最新情報のお知らせは公式LINEでお届けしています。お気軽にご登録ください。