支援プログラム未公表減算 公表と届出の2条件【2026】
100分の85 ── これが、支援プログラムを公表していない児童発達支援・放課後等デイサービスに適用される単位数です。削られるのは一部の子どもの分ではなく、その月に利用した障害児の全員分。その月の請求が、まるごと85%に落ちます。
この減算が動き出したのは令和7年4月1日。もう1年半が経ちました。それでも今、運営指導の現場でいちばん多く見つかっているのは「公表はした。届出を出していなかった」という、たった1本の抜けです。
減算の条件は1つではなく、2つある
愛知県が出している児童発達支援等における支援プログラムの作成及び公表についてには、こう書かれています。
令和7年3月31日までに(a)公表と(b)届出の2条件を満たす必要があります。
(a)はホームページなどで支援プログラムを外に出すこと。(b)は「公表方法と公表内容」を都道府県に届け出ることです。こども家庭庁の手引きも「公表方法及び公表内容を都道府県に届け出ること」と明記しています。
そして減算の効き方が厳しい。
上記2条件が満たされていない月から解消されるに至った月まで、障害児全員について所定単位数の100分の85の減算となります。
「気づいた月から直す」では遅く、満たしていなかった月まで遡って効きます。届出書1枚の遅れが、数か月分の請求に乗る構造です。
1年半前に出したから安心、とは言えない理由
先月、名古屋市内の放課後等デイサービスの事務室で、B管理者と一緒に書類を並べたことがあります。壁のファイルには令和7年3月付の届出控えがきれいに綴じてあり、ご本人も「うちはもう済んでます」という顔でした。
気になったのは、その隣の棚でした。同じ法人が去年の秋に児童発達支援を増やして、多機能型になっていたんです。愛知県の案内にはこうあります。
多機能型事業所の場合は、サービス種別毎に支援プログラムの作成が必要です。
手引き側も「複数の事業を一体的に行う多機能型事業所の場合には、それぞれの事業ごとに支援プログラムを作成すること」としています。放デイの分は出してある。児発の分は、誰も作っていませんでした。正直、背中が冷たくなりました。
さらに、令和7年4月1日以降に新しく指定を受けた事業所は「指定当日から公表してください」とされています。開所準備でいちばん忙しい日に、この作業が乗っている。抜けやすいのは当然です。
12項目のうち、抜けるのはたいてい同じ場所
手引きが求める記載項目は12個あります。①事業所名 ②作成年月日 ③法人(事業所)理念 ④支援方針 ⑤営業時間 ⑥送迎実施の有無 ⑦本人支援の内容と5領域の関連性 ⑧家族支援 ⑨移行支援 ⑩地域支援・地域連携 ⑪職員の質の向上に資する取組 ⑫主な行事等。
⑦の5領域とは「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」のことです。ここは各事業所とも力を入れて書いてあることが多い。
落ちているのは、もっと地味なところです。
② 作成年月日 作成又は見直しを行った年月日を記載すること。
「作成」だけでなく「見直し」の日付も、ここに書きます。つまり令和7年3月の日付のまま1年半動いていないプログラムは、見直しをしていないことを自分で表示している状態になる。運営指導の担当者が資料の右上を先に見るのは、そういう理由です。
「児発管が一人で作った」が指摘になる
手引きにはもう一行、見落とされがちな記述があります。
管理者や児童発達支援管理責任者のみで作成するのではなく、直接支援に従事する職員等の意見も聴きながら作成すること。
プログラムの中身が立派でも、作り方が児発管の個人作業だったなら、聞かれたときに答えられません。逆にいえば、職員会議の議事録に「支援プログラムの見直しについて協議」の1行と出席者名が残っていれば、それが一番強い証拠になります。特別な様式は要りません。
公表義務そのものは児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準第二十六条の二に置かれています。加算の話ではなく、運営基準の話だということです。
今週、30分でできる確認
理事長・管理者の方に、この3つだけお願いしたいです。
1つ目。自分の事業所のサイトを開いて、支援プログラムのページが今も表示されるか。サイトのリニューアルでURLが変わり、リンク切れのまま数か月経っていた事業所を、私は実際に見ました。
2つ目。多機能型なら、支援プログラムがサービス種別ごとに揃っているか。届出書のほうは多機能型でも1枚で構いませんが、単位分けをしている場合は各単位ごとに作成するよう愛知県は求めています。プログラムは種別ごと、届出書は単位ごと。ここが噛み合っていない事業所が多いところです。
3つ目。届出の控えが手元にあるか。愛知県は届出について「メール、FAX、郵送では原則受け付けません」としており、提出方法が指定されています。控えが残っていないなら、出したつもりで止まっている可能性があります。
減算まわりの落とし穴は支援プログラムだけではありません。個別支援計画未作成減算で指摘される3点とあわせて点検すると、書類の穴はだいたい見つかります。運営指導そのものの頻度と処分基準は3年に1回へ移行する話に、その先の報酬改定への備えは令和9年度改定前に整える運営体制にまとめてあります。
B管理者とは、来月また事務室で書類を広げる約束をしました。そのときに、右上の日付が更新されているといい。
出典・参考情報
- 児童発達支援等における支援プログラムの作成及び公表について(愛知県、2024年11月21日更新、確認日:2026年9月24日)
- 児童発達支援等における支援プログラムの作成及び公表の手引き(こども家庭庁、確認日:2026年9月24日)
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(こども家庭庁、確認日:2026年9月24日)
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)第二十六条の二(e-Gov法令検索、確認日:2026年9月24日)
※ 上記リンクは掲載時点のものです。届出の様式・提出方法・締切は自治体により運用が異なるため、最終的な判断は指定権者(都道府県・政令市・中核市)の担当課へご確認ください。
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