歯周病継続支援治療 算定点数と医科連携加算──院長確認3点【2026】

100点。令和8年度の診療報酬改定で、糖尿病の主治医と連携した歯科診療所だけが加算できる点数が生まれた。 正式名称は「重症化予防連携強化加算」。令和8年度の診療報酬改定で新設された項目で、医科から文書が届いたことを条件に、歯周病継続支援治療に上乗せして算定できる。 ところが先週、訪問していた歯科のD先生から「改定後の歯周病の点数、正直まだよく整理できていない」という話を聞いた。改定が施行されてしばらく経つのに、旧SPTと何が変わったのか分からないまま毎日患者さんを診ている、と。 今日はその話を聞いた帰りの電車の中で書き始めたメモを、そのまま整理してお届けしたい。

令和8年度改定で「歯周病継続支援治療」に一本化された

令和8年度の診療報酬改定で、歯周病の継続管理に関わる治療区分が整理された。 これまで使われていた「歯周病安定期治療(SPT)」と「歯周病重症化予防治療(いわゆるP重防)」は廃止され、「歯周病継続支援治療」(区分番号 I011-2)という名称に統合された。 正直、名称が変わっても「何が変わるの?」と思う先生も多いと思う。実際、治療の内容そのものは継続管理という性格を持ち続けている。ただ、点数体系と「加算の仕組み」が整理されたので、そこだけはきちんと押さえておく必要がある。 今月から算定している先生は、レセプトで「I011-2 歯周病継続支援治療」として記録されているはずだ。まだ古い名称のまま入力しているシステムがあれば、レセプトコンピュータの更新状況を確認してほしい。

3区分の点数──何歯かで単価が変わる

「歯周病継続支援治療」は、治療対象の歯数によって3つの区分に分かれる。
  • 1歯以上10歯未満:170点
  • 10歯以上20歯未満:200点
  • 20歯以上:350点
(出典:しろぼんねっと 令和8年度歯科診療報酬点数表 I011-2) 20歯以上の患者さんは350点と、他の区分より大きく単価が上がる設計になっている。この区分の判定は「今回来院時に処置した対象歯数」ではなく、歯周病の管理対象となっている歯の総数で判断する。 患者さんごとに管理対象歯数を把握しているかどうかで、算定できる点数が変わる。電子カルテやレセコンで「この患者の対象歯数はいくつか」がすぐ引き出せる状態になっているか、一度確認してほしい。 ここで気になるのは、旧SPTや旧P重防からどう変わったか、という点だろう。ただし、旧来の算定区分との精密な比較については、自院のレセコンベンダーと確認するのが確実だ。改定前の点数と改定後の点数を並べた資料は、各都道府県の保険医協会が配布していることが多い。 では、点数だけ把握すれば終わりかというと、そうじゃない。次が今回の改定で一番見落とされやすい部分だ。

「重症化予防連携強化加算100点」の取り方

歯周病継続支援治療に加算できる「重症化予防連携強化加算(100点)」の存在を知っているかどうかで、月単位の収益に違いが出る。 算定条件は以下の通りだ。
  1. 糖尿病によって歯周病が重症化するおそれがある患者に対して治療を行う
  2. 他の保険医療機関(歯科専門のみの医療機関を除く)から情報提供を受けて、歯周病継続支援治療を実施する
  3. 治療後に、その医科医療機関に診療情報を文書で提供する
  4. 医科からの文書を診療録に添付する
(出典:しろぼんねっと 令和8年度歯科診療報酬点数表 I011-2 注4) ポイントは「医科から文書を受け取ること」だ。患者さんが「糖尿病で内科に通っています」と言うだけでは算定できない。内科の主治医から「この患者の歯周病管理をお願いしたい」という趣旨の紹介状・情報提供書が届いて初めて、算定の条件が揃う。 逆に言えば、うちのクライアントに歯科の先生がいれば、今すぐ近隣の内科・糖尿病専門医に「糖尿病患者の歯周病管理に協力できる旨のご連絡」をすることが最初の一手になる。 私の周りで聞く話では、「言われてみれば糖尿病の患者さんが何人もいる」という歯科診療所が多い。でも医科との連絡フローがないままだと、その患者さんから100点を算定できる機会は毎回素通りしていることになる。

今月確認すべき3点チェックリスト

D先生に話したことをそのまま書く。 1. レセコンの区分名が「歯周病継続支援治療」に更新されているか確認する 6月改定後もシステム更新が間に合っていないケースがある。旧称のまま請求していると、審査支払機関での返戻・減点につながる可能性がある。7月のレセプト提出前に確認を。 2. 糖尿病患者リストと医科主治医の連絡先を整理する 現在の患者データの中から、糖尿病の既往・現在管理中の患者を抽出してほしい。そのうち主治医の連絡先が分かる患者さんに対して、情報提供の依頼を送ることが重症化予防連携強化加算の起点になる。 最初は患者さんに「かかりつけの内科の先生から歯科宛に紹介状をもらえますか」とお願いするだけでいい。仕組みとしては単純だ。 3. 医科への情報提供文書のひな形を1枚用意する 加算を算定するには「治療後に医科へ文書で情報提供する」が必要だ。毎回ゼロから書くのは手間なので、歯周病継続支援治療の内容・今後の治療方針を記載した文書ひな形を電子カルテに登録しておくと動きやすい。 各都道府県の歯科医師会や保険医協会が参考書式を公開していることが多いので、まずそちらを確認してほしい。 ここまでできれば、次の来院から算定の準備が整う。 --- 「改定の内容を全部把握してから動こう」と思うと、どんどん後回しになる。うちが一緒に仕事をしている先生たちを見ていると、まず一点だけ動く人が結局一番早く整備を終わらせている。今日のチェックリストの中から、1番だけ今日確認してみてほしい。

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出典・参考情報

※ 上記リンクは掲載時点のものです。制度の最新情報は厚生労働省公式サイトおよびご所属の保険医協会にてご確認ください。


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