施設基準の経過措置 10月14日必着の届出11項目【2026】

11項目。

令和8年9月30日で終わった経過措置のうち、10月1日以降も算定を続けるなら届出をやり直さなければならない施設基準の数です。期限は令和8年10月14日(水)必着。今日から数えて、残り12日です。

この届出を落としやすいのは、要件を満たせていない病院ではありません。「うちは満たしているから関係ない」と考えている病院のほうです。

先週、名古屋市内で回復期リハビリテーション病棟を持つ病院の事務長Aさんと、Zoomで打ち合わせをしました。本題は別件で、最後に私がこの話を出すと、Aさんは画面の向こうで首をかしげました。「回リハ2の実績指数は32を超えてますよ。うちは何も出さなくていいですよね?」

出す必要があります。実績指数(リハビリでどれだけ日常生活の動作が改善したかを示す指数)が32を超えていても、届出を出し直さなければ、10月1日以降は回リハ2を算定し続けられません。


届出が要るのは11項目。あなたの病院はいくつ当てはまるか

根拠は、厚生労働省保険局医療課が令和8年9月10日付で出した事務連絡「令和8年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて」です。東海北陸厚生局は9月16日に案内ページを載せています。

経過措置というのは、改定で厳しくなった要件を、一定の期間だけ「満たしているものとみなす」猶予のことです。そのみなしが9月30日で切れました。届出対象は基本診療料が9項目、特掲診療料が2項目。後ろに書いたのが提出する様式です。

  1. 一般病棟入院基本料(急性期一般入院基本料1〜5):別添7の様式10
  2. 療養病棟入院料2(医療区分3と医療区分2の患者の合計が6割以上):別添7の様式6の2
  3. 特定機能病院入院基本料(一般病棟の7対1入院基本料):別添7の様式10
  4. 専門病院入院基本料(7対1入院基本料):別添7の様式10
  5. 総合入院体制加算1〜3・急性期充実体制加算から急性期総合体制加算1〜5へ:別添7の様式10
  6. 地域包括医療病棟入院料2(重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者の割合に関する要件):別添7の様式10
  7. 回復期リハビリテーション病棟入院料2(実績指数32以上):別添7の様式49
  8. 回復期リハビリテーション病棟入院料3(休日を含め週7日リハビリを提供できる体制):別添7の様式49の2
  9. 回復期リハビリテーション病棟入院料4(上の2つの要件):別添7の様式49と様式49の2
  10. 外来腫瘍化学療法診療料1(患者の急変時に対応するための指針の整備):別添2の様式39
  11. 周術期栄養管理実施加算(急性期総合体制加算を届け出ている医療機関):別添2の様式87の45

重症度、医療・看護必要度は、入院患者の状態を点数にして、手厚い看護が必要な患者がどれだけいるかを見る指標です。

出すのは施設基準ごとの全様式ではありません。事務連絡には、医療機関の負担軽減のため「必要最小限の様式の届出を求める」と書かれています。届出書は1部。提出した届出書の写しは、病院側で保管しておくよう求められています。

様式1枚か2枚。数字だけ見れば軽い作業です。ただ、Aさんのように「満たしているから大丈夫」と考えた時点で、この11項目は視界から消えてしまいます。


要件を満たしていても、出さなければ10月1日に遡れない

回リハ2を例にすると、厚生労働省の経過措置の資料を見ると、令和8年3月31日に回リハ2か4を届け出ていた病棟は実績指数の要件に「該当するものとみなす」とあります。期限は9月30日まで。10月からはみなしではなく、実際に満たしていることを届出で示し直す必要があります。

では10月1日の算定はどうなるか。事務連絡はこう定めています。

令和8年10月14日までに届出書の提出があり、同月末日までに要件審査を終え届出の受理が行われたものについては、同月1日に遡って算定することができるものとする

条件は2つです。14日までに出すこと。そして10月末日までに受理されること。受理は厚生局の審査を経てからなので、様式の記載に不備があってやり取りが増えれば、そのぶん月末が近づきます。14日ぎりぎりに出すより、1日でも早く出すほうが安全です。

注意したいのは、九州厚生局のページがはっきり書いている点です。遡って算定できる扱いは、表の届出対象に係る届出直しに限ったもの。ほかの施設基準をこのタイミングで新しく届け出ても、同じ扱いにはなりません。

例外もあります。6月の改定対応で、すでに新基準による届出を出している場合は、改めて届け出る必要はありません。逆に、新基準を満たせていない場合は、届出区分の変更か届出の辞退が求められます。黙って何も出さない、という選択肢はありません。

ここまでは一覧に載っている項目の話です。私が気になったのは、一覧に載っていない項目のほうでした。


一覧に無い項目も、10月からは新しい基準で見られる

事務連絡には、届出対象の表とは別に「(参考)令和8年10月1日以降も算定するに当たり注意が必要なもの等」という表が付いています。並んでいるのは、届出直しの対象ではないものの、9月30日まで基準を満たすものとみなされていた項目です。

急性期一般入院料1から移る急性期病院A一般入院料・急性期病院B一般入院料、地域包括ケア病棟入院料、看護補助加算1などがこの表にあります。たとえば看護補助加算1は、令和8年3月31日に届出をしていた医療機関について、9月30日までの間、改定後の重症度、医療・看護必要度の基準を満たすものとみなす、という書き方です。

届出が要らないことと、要件を気にしなくていいことは別の話です。みなしが終わった以上、10月1日からは改定後の基準で算定していくことになります。必要度の数字は月単位で動くので、10月分は月の前半で一度集計して、基準との距離を見ておくほうがいい。月末にまとめて集計して初めて足りないと気づいても、その月は戻ってきません。

もう一つ。厚労省の資料には「経過措置は、今後変更になる可能性がございます」という注意書きがあります。最新の告示や通知、施設基準届出チェックリストも必ず参照するように、とも。届出の前に、管轄の厚生局のページをもう一度開いて、更新日を確かめてください。

では残り12日で、事務部門は何から手をつければいいか。


残り12日でやることは3つだけ

  1. 3月31日時点の届出控えを出して、11項目と突き合わせる。当てはまる項目に印をつけ、6月の改定対応で新基準の届出をすでに出していないかもあわせて確認します。出していれば、その項目は終わりです。
  2. 印をつけた項目ごとに、直近の実績で要件を満たすか確かめる。満たしていれば、指定の様式だけを作って届け出る。満たしていなければ、届出区分の変更か辞退の準備に切り替えます。
  3. 10月14日(水)必着で、正しい届出先へ送る。届出先は病院がある県を管轄する事務所で、愛知県の場合は東海北陸厚生局の指導監査課です。必着なので、14日の消印では間に合いません。郵送なら、週明けには出しておきたいところです。

Aさんとの打ち合わせは30分の予定でした。結局、様式49に入れる数字を画面共有で一つずつ確かめているうちに、1時間半が過ぎていました。終わり際にAさんが言ったのは「6月で改定の届出は全部終わったと思ってました」という一言です。

そう思っている病院ほど、この10月の届出は抜けやすい。机の引き出しかキャビネットに、3月までの届出控えが綴じてあるはずです。

その綴り、今日のうちに開けますか。


出典・参考情報

※ 上記リンクは掲載時点のものです。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず管轄の地方厚生局および一次情報でご確認ください。


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