処遇改善加算Ⅰロ 算定要件と様式差替 実務対応3点【2026年7月】
令和8年6月から「Ⅰロ」が始まった──気づかずに旧区分のままの事業所がある
処遇改善加算は令和6年10月に3種類が一本化された。それが令和8年度改定で、もう一段変わった。6月以降の加算には「Ⅰ(イ)」と「Ⅰ(ロ)」という2つの区分が生まれ、ロを選ぶと加算率が上がる仕組みになった。 4月・5月は令和7年度と同じ加算率で請求しつつ、6月以降の算定にあたっては新区分のどちらを取るかを決める必要がある。届出の変更が必要になるケースもあるため、法人の事務担当者が「うちは6月で何か変わったか?」を未確認のまま放置しているとそのまま低い加算率が続く。 うちのクライアントで確認した限り、5月末に届出を修正して6月請求からⅠロに切り替えた法人は複数いる。一方、「6月から変わっていると聞いていなかった」という事務長もいた。「Ⅰロ」を取るための2つの条件──どちらかを満たせばいい
Ⅰロへの移行条件は、サービス種別によって2パターンある。- 通所・訪問サービス等の場合:ケアプランデータ連携システムへの加入と実績報告
- 施設・居住系サービスの場合:生産性向上推進体制加算Ⅰ又はⅡの取得と実績報告
サービス種別で加算率はこれだけ変わる──主要3種の比較
令和8年6月以降の主要サービス別加算率(介護職員等処遇改善加算)を整理すると以下のとおりだ(参考:のどか会計事務所 加算率一覧(令和8年度対応))。- 訪問介護:Ⅰイ=27.0% / Ⅰロ=28.7%
- 通所介護:Ⅰイ=11.1% / Ⅰロ=12.0%
- 介護老人福祉施設(特養):Ⅰイ=16.3% / Ⅰロ=17.6%
7月8日と14日、様式の差し替えが2回起きた──何が問題だったのか
厚生労働省は7月8日に介護保険最新情報Vol.1522を発出し、処遇改善加算の実績報告書(別紙様式3)のExcelを差し替えた。理由は「計算式などの改善・修正のため」で、令和7年度分・令和8年度分の通常版と大規模版(2000行版)の4ファイルが対象だった(介護保険最新情報Vol.1522(厚生労働省))。 その6日後の7月14日、今度は令和8年度の実績報告書が再び差し替えられた。厚生労働省の令和8年度介護報酬改定ページには「令和8年7月14日に差し替えています」と明記されている(令和8年度介護報酬改定について(厚生労働省))。 1週間に2回の差し替え。事務の現場からすると「どっちが最新?」と混乱する。整理すると:- 7月8日(Vol.1522):令和7年度・8年度分の様式に計算式の誤りがあり差し替え
- 7月14日:令和8年度分についてさらなる修正があり再差し替え
今週月曜に確認すべき3つのこと
話を整理すると、今週確認すべきことは3つに絞られる。- 令和8年6月以降、ⅠイからⅠロへの届出変更が必要かどうか確認する
ケアプランデータ連携システムへの加入状況と、施設系の生産性向上推進体制加算の取得状況を確認。まだ移行できていなければ7月分の請求前に動き始める。 - 実績報告書を使う予定の事業所は7月14日以降の最新Excelを確認する
厚労省の令和8年度介護報酬改定ページから最新版をダウンロードし、既存のファイルと差し替える。特に大規模版(2000行版)を使っている法人は確認必須。 - 令和8年度分の処遇改善計画書(別紙様式2)の内容と実績との整合性を確認する
6月以降の加算区分変更がある場合、計画書の記載内容と実際の支給配分が合っているかを再確認する。加算区分が変わっていれば、計画書の変更届が必要なケースもある。
出典・参考情報
- 介護保険最新情報Vol.1522(厚生労働省、確認日:2026年7月21日)
- 令和8年度介護報酬改定について(厚生労働省、確認日:2026年7月21日)
- 処遇改善加算の実績報告書、厚労省が様式を差し替え(介護ニュースJoint、確認日:2026年7月21日)
- 介護職員等処遇改善加算 加算率一覧(令和8年度対応)(のどか会計事務所、確認日:2026年7月21日)
※ 上記リンクは掲載時点のものです。制度改正等により内容が変更になる場合があります。最新情報は厚生労働省の公式ページで必ずご確認ください。
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