保育ICT推進加算 ここdeサーチ更新は9月末【2026】
45日。今日から9月30日までに残された日数です。
この45日のあいだに「ここdeサーチ」へログインして「確認者へ申請する」を押さなかった園は、令和8年度の保育ICT推進加算の要件をひとつ落とします。施設情報に変更が一切なくても、です。
こども家庭庁が令和8年8月3日に掲載資料を更新した「公定価格に関するFAQ(よくある質問)」第32版(令和8年7月24日時点版)で、この取扱いが明記されました。4機能のシステムを入れたかどうかばかりが話題になる加算ですが、落とし穴は別のところにあります。
「変更がないなら何もしなくていい」が、いちばん危ない
FAQ第32版のNo.352は、こう書いています。
毎年度、情報の更新をお願いしているとおり、施設情報に変更がない場合も、ここdeサーチ上で年度が切り替わる5月から9月末までの間にここdeサーチにログインし、内容を確認のうえ「確認者へ申請する」(経営情報の申請を含めない場合には「経営情報等を含めずに詳細情報を申請する」に✓をした上で)を押下することが必要です。
定員も、職員体制も、開所時間も去年のまま。それでも押さなければ「未更新」です。
では何をもって更新と呼ぶのか。同じFAQのNo.351が定義しています。子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」の「施設の詳細情報を入力する」タブの必須項目をすべて入力し、施設等から市町村(確認者)へ申請すること。ログインして眺めただけでは足りません。申請の処理まで通してはじめて、要件を満たしたことになります。
根拠は子ども・子育て支援法第58条第1項です。
特定教育・保育提供者は、…その提供する教育・保育等に係る教育・保育等情報…を、教育・保育等を提供する施設又は事業所の所在地の都道府県知事に報告しなければならない。
もともと法律上の報告義務があるものを、加算の要件として拾い直した格好です。だから「やっていて当たり前」の顔をして、様式の末尾に数行だけ書かれている。目立たない要件ほど、加算の可否を静かに分けます。
1度押せば、そのあとの変更漏れは問われない
ここは救いのある話です。No.353にこうあります。
ここdeサーチ上で年度が切り替わる5月から9月末までの間に1度でも情報の更新…がなされていれば、その後、9月末までの間に運営状況に変更が生じた場合等に情報の更新がなされていなくても、要件を満たしたこととなります。
つまり、9月30日までに1回通しておけば、10月に主任が替わっても、11月に開所時間を延ばしても、加算の要件としては崩れません。逆に言えば、この1回を落とすと後からの取り返しがきかない。年度をまたいで挽回できる種類の要件ではないということです。
もっとも、FAQは同じ答えの後段で、ここdeサーチには最新情報が反映されていることが求められる、とも書いています。市町村から最新化や修正の指摘を受けて放置している状態は、別の問題として扱われます。その対応期限について、No.354は国として期限を設定しておらず各市町村で判断する、としています。期限がないのではなく、判断が自治体に委ねられている。ここを「急がなくていい」と読むと、あとで揉めます。
経営情報の報告と混同すると、加算と減算を両方かぶる
私が園の事務担当者と話していて、いちばん混ざりやすいのがこの2つです。
ひとつは、いま書いてきた第58条第1項の情報公表。もうひとつが、第58条第2項の経営情報等の報告です。法律の条文は、後者をこう定めています。
特定教育・保育施設の設置者及び特定地域型保育事業者は、政令で定めるところにより、毎事業年度終了後五月以内に、当該事業年度に係る特定教育・保育施設設置者等経営情報…を…都道府県知事に報告しなければならない。
FAQのNo.351には、この2つの関係がはっきり書かれています。経営情報等の報告は本加算の要件ではなく、別途新設された調整部分(経営情報等の報告を行っていない場合)で調整する、と。
要件と調整。別々の仕組みです。経営情報を出したから加算の要件も満たした、にはなりません。逆もまた同じで、ここdeサーチの詳細情報を申請したから経営情報も済んだ、にもならない。同じ画面から入るのに、押すボタンが違う。
両方落とした園は、加算を取り逃がしたうえで調整も受けます。
令和8年度は「意思表明」で足りる。ただし返還条項がついている
保育業務施設管理プラットフォームと保活情報連携基盤。この2つの活用も加算の要件に並んでいますが、今年度の扱いはNo.347が緩めています。
令和8年度については、施設においてアカウントの発行を受けていて、かつ、令和9年度から両システムを活用する意思が明記された申請書等(別添5にお示ししている申請様式を参照)を提出した場合に、加算の要件を満たしているものと取り扱います
保活情報連携基盤については、令和9年度中に施設基本情報をすべて登録する予定であること、と具体的に書かれています。今年度は使っていなくていい。来年度使う、と書いて出せばいい。
ただし、後ろに条項がぶら下がっています。No.350は、結果的に両システムを活用しなかった場合、施設等の責めに帰することができない事情がある場合を除いて当該年度の加算額の返還を求める、としています。意思表明で取った加算は、来年度の実行とセットです。
そしてNo.349。施設の所在する自治体が両システムを利用していない場合は加算の認定が受けられないのか、という問いに対する答えは「お見込みのとおりです」でした。園の努力ではどうにもならない部分が残っている。市町村の導入状況を確認せずに様式だけ整えても、認定に届かないことがあります。
9月末までにやることは3つだけ
やることを絞ります。
- ここdeサーチにログインし、必須項目を確認して申請まで通す。変更がなくても押す。担当者と実施日を決めて、9月中旬までに終わらせる
- 別添5の様式で4機能を棚卸しする。園児の登園及び降園の管理、保育に係る計画・記録、保護者との連絡、キャッシュレス決済。システム名と運用保守契約の相手先、申請年度に生じた費用を埋める
- 市町村に、2つのシステムの利用状況を聞く。No.349の扱いがある以上、確認の一本は早いほうがいい
2つ目で1点だけ注意があります。FAQ第32版で修正が入ったNo.257は、キャッシュレス決済についてこう書き直されました。
ICTを活用した口座振替ではなく、銀行が行う口座振替サービスを利用することは本要件のキャッシュレス決済に関する機能には該当しません。
保育料を銀行の口座振替で集めている園は多い。それは要件に数えられません。想定されているのはクレジットカード、交通系電子マネー、QRコード決済といった、現金を使わずに支払う手段です。ここを取り違えたまま様式を出すと、4機能のうち1つが欠けたまま申請することになります。
45日は、園の事務にとって長くありません。行事があり、指導計画があり、来年度の入園説明の準備が始まる時期です。
だからこそ、日付を決めて誰かの手に渡す。それだけで落ちない要件です。
出典・参考情報
- 公定価格に関するFAQ(よくある質問)第32版(令和8年7月24日時点版)(こども家庭庁、確認日:2026年08月16日)
- 公定価格に関する情報(こども家庭庁、確認日:2026年08月16日)
- 子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)(e-Gov法令検索、確認日:2026年08月16日)
※ 上記リンクは掲載時点のものです。制度の運用や様式は改定されることがあるため、実際の申請前に必ず所管の市町村・都道府県の案内をご確認ください。
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