施設基準の受理番号は郵送されない 月2回の確認3点【2026】
「受理番号の通知、まだ届かないんですけど」
先月、名古屋市内で開いた歯科医院向けの勉強会。質疑の時間に、事務長のCさんが届出書の控えを手元から持ち上げました。
届きません。去年の夏から、あの封筒は送られていないんです。
私が言い切ったあと、会場が数秒だけ静かになりました。同じ顔をした人が、後ろの席にもう2人いた。今日はその話をします。
受理番号は、令和7年8月1日算定分から郵送されていない
東海北陸厚生局は、施設基準の届出について受理番号を郵送で通知することをやめています。同局のサイトには、こう書かれています。
「令和7年8月1日算定開始にかかる届出以降は、各保険医療機関等及び各訪問看護ステーションへの受理番号の郵送による通知は行わず、こちらのページからご確認いただくこととなりました」(東海北陸厚生局「施設基準の受理状況」)
令和8年度診療報酬改定の届出一覧のページにも、同じ趣旨が「重要なお知らせ」として置かれています(基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定))。つまり見落としではなく、そういう運用に変わったということです。
対象は歯科だけではありません。受理状況のページは4つの区分に分かれています。
- 保険医療機関(医科)
- 保険医療機関(歯科)
- 保険薬局
- 訪問看護ステーション
PDFは富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県の6県それぞれに用意されています。愛知の歯科医院も、岐阜の訪問看護ステーションも、同じ条件です。
ここで確認しておきたいのは、この運用が東海北陸厚生局のものだという点。他の厚生局に届け出ている施設は、管轄局のサイトで扱いを見てください。うちのクライアントは東海が中心なので、以下は東海北陸厚生局の話として書きます。
掲載は毎月10日と25日。ただし6か月で消える
受理状況が更新されるタイミングは決まっています。
「毎月10日・25日に掲載予定です。(土日祝の場合、翌開庁日に掲載)」。あわせて「直近6か月分を掲載しています」とも書かれています。
この2行を並べると、実務上の意味が見えてきます。半年経つと、自院の受理記録はサイトから消える。手元に残らないのではなく、確認先そのものが無くなる。届出の控えは医療機関で保管するよう求められていますが、控えに書いてあるのは自分が出した内容であって、受理番号ではありません。
直近の掲載回は令和8年7月27日でした。6月1日算定開始の改定に伴う再届出を出した施設なら、この前後の回に自院の行があるはずです。まだ開いていないなら、今日開いてください。年内には消えます。
先に開くのは「新規・変更」ではなく、失効のほう
掲載されているファイルは、各回2種類あります。「届出受理医療機関一覧表」と「届出関係失効一覧表」。サイト上では「新規・変更」と「失効」というラベルで並んでいます。
私が先に開くのは、いつも失効のほうです。
理由は単純で、新規・変更の一覧に自院が載っていれば「よかった」で終わりますが、失効の一覧に載っていた場合は算定が止まっているからです。よかった、では済みません。改定に伴って要件が変わった基準を再届出しなかった、添付書類が足りず取り下げになった、経過措置の期限が来た。落ちる経路はいくつもあります。
令和8年度改定では、届け直しが必要な基準がかなりの数ありました。東海北陸厚生局は病院・医科診療所・歯科診療所の3種類に分けて「施設基準届出チェックリスト」を配っています。歯科診療所版もあります。使ったなら、そのまま失効一覧の突き合わせに使えます。
チェックリストの提出自体は不要です。提出しなくていい書類ほど、作った本人以外は存在を知らないまま消えていく。うちで預かっている歯科医院では、このチェックリストを受理状況の確認表として流用して、確認した日付を横に書き足す運用にしています。
載っていないからといって、未受理とは限らない
ここで慌てる人が本当に多い。
受理状況のページには、こんな断り書きがあります。「施設基準の届出書類の内容確認に時間を要する場合等、掲載日に差異が生じる場合がありますのでご留意ください」。
掲載が遅れることがある、と厚生局自身が書いているわけです。だから10日の回に載っていなくても、それだけでは未受理と判断できません。判断材料はもう一つ必要で、それが受付日です。
郵送で出した届出は、厚生局に届出書が到着した日が受付日になります。発送した日でも、消印の日でもない。同じページにはっきり書かれています。FAXでの提出は認められていません。愛知県の医療機関なら、提出先は指導監査課に1部です。
そして算定開始月は、この受付日から決まります。「各月の月末までに受理したものはその翌月から、月の最初の開庁日に受理した場合には、当該月の1日から算定することができます」。
実務に落とすと、こうなります。
- 届出を郵送した日ではなく、厚生局に着いた日を控えに書き込む
- その日から逆算して、算定を始めてよい月を確定させる
- 掲載回を2回分待って、それでも一覧に出てこなければ管轄事務所に問い合わせる
2回分というのは私の運用基準です。10日と25日で1か月に2回ありますから、半月見て動く。それ以上寝かせると、算定を始めた月と受理の実態がずれたまま月遅れになります。
改定の算定開始が6月1日でしたから、もう2か月が過ぎています。それでも事務連絡は止まっていません。厚生労働省は令和8年7月30日付で「疑義解釈資料の送付について(その11)」を出しています(令和8年度診療報酬改定について)。6月で終わった話ではない、ということです。
月2回のPDFを、誰の時間で開くのか
ここからが、経営者に決めてもらう部分です。
受理番号が郵送で届いていた頃、この業務は「封筒が来たらファイルする」でした。届いた時点で作業が発生する、受け身の仕事です。それが今は違います。誰も知らせてくれない業務に変わった。10日と25日にサイトを開きに行く人がいなければ、自院の受理状況は誰も把握していない状態のまま進みます。
院長が開けばいい、という話にはなりません。歯科診療所の院長がPDFを6県分の中から探して、自院名で検索して、失効一覧と突き合わせる。うちで実際にやると15分ほど。それが月2回、毎月続きます。診療の合間の15分は、いちばん高い15分です。
決めることは3つだけです。
- 誰がやるか。院長か、事務長か、外注か。名前で決めます。「事務スタッフ」では回りません
- いつやるか。掲載は10日と25日なので、11日と26日に固定する。土日祝は翌開庁日にずれるため、確認日は掲載日の翌日以降に置く
- どこに残すか。6か月で消えるので、該当ページのPDFを自院のフォルダに保存する。受理番号を台帳に転記するだけでもいい
Reliefの判断としては、届出を出した本人と確認する人は分けたほうがいいと考えています。自分が出した届出は「出したから通っているはず」という前提で見てしまうからです。失効一覧を上から順に見る役は、出した人以外に振ってください。
院内で分けられないなら、そこが外注の線になります。うちが施設基準まわりを預かるときも、最初にもらうのは届出の控えではなく、確認の担当者名と確認日です。書類を作る仕事より、書類が生きているか見に行く仕事のほうが、抜けます。
封筒が来なくなった業務を、あなたの法人では誰が拾っていますか。
出典・参考情報
- 保険医療機関・保険薬局の「施設基準の受理状況」及び訪問看護ステーションの「基準の受理状況」(東海北陸厚生局、確認日:2026年8月7日)
- 基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定)(東海北陸厚生局、確認日:2026年8月7日)
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省、確認日:2026年8月7日)
※ 上記リンクは掲載時点のものです。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず管轄の厚生局・行政機関の公表資料でご確認ください。
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