今日から新LIFE本稼働。7月31日までに移行できない施設は7つの加算を失う

7つ ── これが、LIFEの移行を7月31日までに完了しなかった施設が失う加算の数だ。 科学的介護推進体制加算、栄養マネジメント強化加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算、自立支援促進加算、ADL維持等加算、個別機能訓練加算(II)。 今日5月11日から国保中央会(こくほちゅうおうかい:公益社団法人国民健康保険中央会)運営の新LIFEが本稼働した。移行は「準備しておいて」の段階をすでに過ぎている。

7つの加算が、消える ── 7月31日に間に合わなかった施設はどうなるのか

LIFE加算が何に影響するかは、うちのクライアントを見ていると肌で分かる。毎月の請求に乗ってくる数万〜数十万円が、7月31日の翌日からまるごと消えるイメージだ。

移行期間は5月11日から7月31日まで、82日間ある。ただし、82日というのは余裕に見えて全然余裕じゃない。電子証明書の取得から新システムへのログイン確認、利用者情報の再登録まで、法人規模や施設の利用者数によっては数週間かかる作業だ。

対応が遅れた場合の具体的なリスクは2段階ある。

  • 第1段階:7月31日までに新LIFEにデータ入力ができない状態になる → 加算の算定要件を満たせなくなる
  • 第2段階:9月1日に旧LIFEが完全終了 → 過去フィードバックデータが永久に参照不能になる

「7月31日に間に合えばいい」と思っている施設が今どれだけあるか。正直、移行作業を甘く見ている経営者の方は多い印象だ。移行作業は一気通貫でできるものではなく、電子証明書の取得・インストール → システムログイン確認 → 利用者情報の再登録という3つのフェーズがあり、フェーズごとに詰まるポイントが違う。


引き継がれるもの、引き継がれないもの ── ここの勘違いで詰まる施設が多い

「LIFEが変わるとき、データはどうなるのか」という質問を3月以降に複数のクライアントから受けた。答えは「一部しか引き継がれない」だ。

自動で引き継がれるもの(何もしなくてOK):

  • アカウントのID・パスワード
  • 事業所情報

引き継がれないもの(手動対応が必須):

  • 利用者情報(全利用者を新システムに手動で再登録する必要がある)
  • 様式データ(各種アセスメント様式の入力内容)
  • 過去フィードバックデータ(9月1日前にPDFで書き出し保存が必須)

「パスワードが使えるから移行した」と思っている施設が怖い。ログインできることと、利用者情報が登録されていることは、全く別の話だ。利用者数が50人いる施設なら、50人分の情報をシステムに手入力または取込しなければならない。うちが支援しているある介護老人保健施設のB施設長は「まさか利用者情報が自動で入らないとは思わなかった」と青い顔をしていた。

なお、新LIFEでは利用者データの自動照合機能が追加されている。保険番号・識別番号・生年月日・性別を入力すれば照合できるので、手入力の効率は上がっている。それでも全件対応には時間がかかる。


必須3ステップの最大の関門は"電子証明書"だ

新LIFEへの移行は以下の3ステップで完結する。

  1. 電子証明書の取得・設定(介護保険証明書 または 介護DX証明書を端末にインストール)
  2. 新LIFEへのシステム切替(5月11日〜7月31日の移行期間中に完了)
  3. 利用者情報の再登録(自動移行なし、手動対応必須)

この中で最も詰まりやすいのが、ステップ1の電子証明書だ。

電子証明書は介護保険証明書(既存)または介護DX証明書(新設)のいずれかを使う。すでに電子証明書を持っている施設はそのまま使えるが、「LIFEだけに使うICカードを持っていない」という施設は新規取得が必要になる。証明書の取得には申請から数日〜1週間程度かかることもある。

新LIFEではセキュリティ面が強化されており、ワンタイムパスコードの入力が不要になる代わりに、証明書認証が毎回必須になっている。「旧システムより面倒になった」という声もあるが、情報漏洩リスクの低減という観点ではこちらの方が正しい方向性だと私は思っている。

なお、旧LIFEで必要だったLIFEアイコン(ブラウザ拡張)は不要になった。ホームページから直接ログインする方式に変わっている。これは素直に楽になった変更点だ。


9月1日前にやらないと二度と取れないデータがある

9月1日、旧LIFE(厚生労働省運営)は完全終了する。

そこで問題になるのが過去フィードバックデータだ。LIFEに入力したアセスメントデータや施設への分析フィードバックは、旧LIFEが終了した後は一切参照できなくなる。新システムに引き継がれることもない。

これを「まあ過去データだし」と捨てる施設と、きちんと保管する施設では、今後のケアの質に差が出てくる。フィードバックを蓄積していた施設は、利用者のアセスメント傾向や加算算定の根拠として活用してきたはずだ。その記録を失うのは大きなロスになる。

対応方法:旧LIFEにログインし、フィードバックをPDF形式で書き出し保存する。旧システムは9月1日まで使える(一部機能は制限あり)ので、今すぐ全件保存を始めた方がいい。利用者数が多いほど時間がかかる。

「9月1日ギリギリでいい」という発想は、7月31日の移行完了との二重負荷になる。フィードバックのPDF保存は今月中に終わらせるのが現実的だ。


今週から8月末まで ── 期日別の行動リスト

整理すると、施設がやるべきことは以下のタイムラインになる。

  • 5月中(今すぐ):
    • 旧LIFEの過去フィードバックをPDF保存
    • 電子証明書の取得状況を確認(未取得なら申請開始)
  • 6月中:
    • 新LIFEへのログイン確認
    • 利用者情報の再登録開始(利用者が多い施設は早めに着手)
  • 7月31日まで(絶対期限):
    • 全利用者の情報登録完了
    • 新LIFEへの様式データ入力が通常運用できる状態にする
  • 9月1日までに:
    • 旧LIFEからの全データバックアップ(フィードバック・様式)を保管

GW明けから今日まで3週間弱。「まだやっていない」施設は今週中に少なくとも電子証明書の確認と旧LIFEのフィードバックPDF保存を始めてほしい。

新LIFEへの対応は事務長や施設長だけでは負担が大きい場合もある。うちに問い合わせをくれる施設の多くが、「担当者が1人で抱えて詰まっている」パターンだ。作業の分担と期日の共有を、今日のうちにチームで確認してほしい。


出典・参考情報

※ 上記リンクは掲載時点のものです。制度改定等により内容が変わる場合があります。最新情報は厚生労働省・国保中央会の公式サイトをご確認ください。


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