令和8年度診療報酬改定|施設基準届出は5月18日が事実上のXデー——連休明け10日の確認手順

令和8年度診療報酬改定は、4月で終わっていない。 この一文だけで「え?」と思った院長は、今すぐ読んでほしい。 施設基準の届出期限は5月下旬まで続く。しかも厚労省は、今月18日までの提出を強く推奨している。ここから逆算すると、連休明けから動き始めても10日足らずしかない。

「4月で終わり」ではない——施設基準届出の受付はいつまで続くか

令和8年度診療報酬改定(2026年4月1日施行)は、確かに4月から点数が変わった。だが、加算を算定するための施設基準の届出受付は4月1日に終わっていない。知らなかった院長は、今すぐ確認すべきだ。

厚生労働省の令和8年度診療報酬改定ページによれば、2026年6月診療分から新点数や新加算を算定したい場合、施設基準の届出受付期間は5月7日(木)〜6月1日(月)だ。

つまり4月中に届出を提出しなかったとしても、5月のうちに出せば6月から算定できる——というのが正確な理解になる。逆に言えば、5月中に出さなければ6月から算定できない加算が確定する

うちのクライアントのB先生(40床の有床診療所の院長)は、4月の繁忙でそのまま流れてしまい、「届出ってまだ間に合いますか」と連絡をくれた。血の気が少し引いた瞬間だった。同じような状況にあるクリニックが、全国に相当数いるはずだ。


5月18日までに出すべき理由——電子申請との致命的なすれ違い

厚労省が「可能な限り5月18日までに届け出るよう努めてほしい」と呼びかけている理由は、5月下旬に届出が集中して混雑するからだけではない。もう一つ、見落としやすい事情がある。

電子申請(オンライン届出)の受付開始は5月25日からだ。紙の届出と電子申請で受付開始日がずれている。5月25日以降に紙で出そうとする場合、窓口の混雑が最も激しくなるタイミングと重なる。

5月18日までに紙で提出 → 比較的空いている時期に完了
5月25日以降に電子申請 → 最混雑期と重なる、かつ電子申請の習熟が必要

どちらを選ぶにしても、5月18日という日付が実質的な分岐点になる。

今日が5月4日(日曜)だ。連休明けから動き始めても、10日足らず。焦るほどではないが、のんびりできる余裕もない。


まずここから——施設基準チェックリストの確認手順

厚労省は令和8年4月20日付けで、施設基準届出チェックリストを病院・診療所・薬局の各機関向けに送付している(5月1日に一部訂正済み)。

令和8年度診療報酬改定の説明資料等のページからダウンロードできる。まずここを開いてほしい。チェックリストには「本来であれば届出が必要なのに、失念していた」という事態を防ぐ役割がある。印刷して書き込む形式で使うのが一番実用的だと私は思っている。

チェック手順としては次の3ステップが実用的だ:

  1. 現在算定している加算・管理料の一覧を出す——レセコンの算定項目一覧から、令和8年4月以降に変更・新設された項目を洗い出す
  2. チェックリストで照合する——各加算に対応する施設基準があるかを確認。「そもそも届出が必要な項目」と「届出不要の項目」を分類する
  3. 未届出の項目を列挙して、優先順位をつける——算定額が大きいもの、6月から影響が出るものから先に動く

「どれが今回の改定で変わったか分からない」という事務長は、疑義解釈資料(令和8年4月21日付、その4まで発布済み)も合わせて確認するといい。点数の算定要件が微妙に変わっているケースがある。


今回の改定で収益に直結する変更点——見落としやすい3つ

令和8年度の診療報酬改定は、賃上げ・物価対応・医療DX推進の3本柱が軸になっている。

クリニック経営の観点で、施設基準届出との絡みで特に影響が大きい変更点を3つ挙げる。

① ベースアップ評価料の引き上げ

2024年度に創設されたベースアップ評価料は、令和8年度改定でさらに引き上げられた。対象はスタッフの賃上げに直結する加算で、届出をしていないと文字通り算定できない。「うちのスタッフには関係ない」ではなく、「うちが届出を忘れていると加算を取れない」という問題だ。

② 物価対応のための上乗せ

初診料・再診料・入院料等に光熱水費・食材料費の高騰を反映した対応が盛り込まれた。この部分は届出を要さないものも含まれるが、施設基準と連動している項目については届出確認が必要になる。

③ 医療DX推進体制整備の加算整理

「医療情報取得加算」と「医療DX推進体制整備加算」が統合・整理され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」が設置された。電子カルテ・マイナンバーカード対応の状況によって、算定要件が変わっている施設がある。

いずれも「改定があったことは知っていた。でも施設基準の詳細まで確認できていなかった」という状況が起きやすい。

知っていたのに取れなかった——それが一番もったいない。

連休明けに30分、確認の時間を取るだけでいい。


事務長が今週やること——アクション3点

あなたがクリニックの事務長や経営管理担当なら、今週やることは次の3点だ。

1. チェックリストを印刷して、院長と30分確認する
厚労省の施設基準届出チェックリストを手元に置いて、院長に「これで確認しましたか」と聞く。GWあけ初日に時間を作る価値がある。

2. 電子申請か紙かを決める
電子申請(5月25日〜)と紙届出(5月7日〜)どちらで出すか決めておく。初めて電子申請する場合は、慌てて操作して間違えるよりも、慣れた紙の方が安全なこともある。

3. 管轄の地方厚生局に電話するタイミングを決めておく
不明点があれば地方厚生局(管轄ごとに窓口が異なる)への電話確認が最も確実だ。ただし5月18日が近づくと問い合わせが集中する。早めに疑問を洗い出して、空いているうちに動くこと。

「診療報酬改定は4月で終わった」は半分正解で、半分は間違いだ。算定できる体制を整えるのは、届出が受理されて初めて完結する。GW明けの5月7日、何から手をつけるか——チェックリストを開くのか、それとも来月また「まだ出してない」と後悔するのか。どちらを選ぶかはあなた次第だが、私は毎年この時期にそういうクリニックを見てきた。


出典・参考情報

※ 上記リンクは掲載時点のものです。厚生労働省の改定ページは更新されることがあります。最新情報は必ず公式ページでご確認ください。


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