2024年度補正予算案: 介護職・福祉職の賃上げ支援策
はじめに
2024年11月29日、政府は一般会計総額13兆9433億円の補正予算案を閣議決定しました。この中で、介護職や福祉職の賃上げを目的とする施策である「介護人材確保・職場環境改善等事業」と「障害福祉人材確保・職場環境改善等事業」の内容を抜粋します。
目次
介護人材確保・職場環境改善等事業
施策の目的
- 他産業への流出防止: 他産業との給与差を是正し、全産業平均給与との差を縮小するため、緊急的な賃金引き上げが必要。
- 職場定着の促進: 賃上げに加え、生産性向上や業務効率化、職場環境改善を図ることで、職員の離職防止と職場定着を促進。
- 介護サービスの質向上: 職場環境の改善を通じて、介護サービスの質を向上。
施策の概要
- 対象事業所:
- 介護職員等処遇改善加算を取得している事業所。
- 生産性向上や職場環境改善に向けた計画を都道府県に提出する事業所。
- 補助金の用途:
- 人件費: 介護職員等やその他職員の人件費に充当可能。
- 環境改善経費: 介護助手等の募集や採用に関する経費、処遇改善加算の職場環境要件達成のための取組費用（例: 研修費用）。
- 具体的な取り組み: 業務の洗い出しと棚卸し、業務効率化と改善方策の立案、生産性向上推進体制加算の取得に向けた基盤構築。
支給対象
- 介護職員等処遇改善加算を取得している事業所。
- 以下の取り組みを行い、計画を都道府県に提出した事業所:
- 業務の洗い出し・棚卸し。
- 業務効率化と改善方策の立案。
施策のスキーム
- 事業所が計画書等を都道府県に提出し、実績報告書を提出。
- 都道府県が国保連から提供された交付額一覧に基づき交付決定を実施。
- 必要な国保連システムの改修を実施し、事務費等を確保。
成果イメージ
- 経済効果: 賃上げによる介護職員の生活向上、新たな雇用創出。
- 波及プロセス: 業務効率化による介護サービスの質向上、職場環境改善による人材定着。
予算
令和6年度補正予算案: 806億円。
ファイルダウンロード参考文献：厚労省：令和６年度厚生労働省補正予算案の主要施策集より抜粋
障害福祉人材確保・職場環境改善等事業
施策の目的
- 他産業への流出防止: 他産業との給与差を縮小するため、緊急的な賃金引き上げが必要。
- 職場定着の促進: 賃上げに加え、生産性向上や業務効率化、職場環境改善を図り、職員の離職防止と職場定着を促進。
- 障害福祉サービスの質向上: 職場環境の改善を通じて、サービスの質を向上。
施策の概要
- 対象事業所:
- 福祉・介護職員等処遇改善加算を取得している事業所。
- 生産性向上や職場環境改善に向けた計画を都道府県に提出する事業所。
- 補助金の用途:
- 人件費: 福祉・介護職員やその他職員の人件費に充当可能。
- 環境改善経費: 間接業務に従事する者の募集費用、処遇改善加算の職場環境要件達成のための研修費用。
- 具体的な取り組み: 福祉・介護職員等の業務の洗い出しと棚卸し、業務効率化と改善方策の立案。
支給対象
- 福祉・介護職員等処遇改善加算を取得している事業所。
- 以下の取り組みを行い、計画を都道府県に提出した事業所:
- 福祉・介護職員等の業務の洗い出し、棚卸し。
- 業務効率化と改善方策の立案。
施策のスキーム
- 事業所が計画書等を都道府県に提出し、実績報告書を提出。
- 都道府県が国保連から提供された交付額一覧に基づき交付決定を実施。
- 必要な国保連システムの改修を実施し、事務費等を確保。
成果イメージ
- 経済効果: 賃上げによる障害福祉職員の生活向上、新たな雇用創出。
- 波及プロセス: 業務効率化による障害福祉サービスの質向上、職場環境改善による人材定着。
予算
令和6年度補正予算案: 258億円。
ファイルダウンロード参考文献：厚労省：令和６年度厚生労働省補正予算案の主要施策集より抜粋
まとめ
今回の施策は、介護・福祉職の賃上げや職場環境改善を通じて、人材の確保・定着を図る重要な取り組みです。これによりサービスの質が向上し、利用者にも大きなメリットが期待されます。
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