訪問看護ステーションが使える補助金・助成金まとめ【2026年最新版】
訪問看護ステーションが使える補助金・助成金まとめ【2026年最新版】
訪問看護ステーションの開設・運営には、人材確保や設備投資など多くのコストが伴う。スタッフの給与水準を維持しながらICT化を進め、安定した経営を実現するのは容易ではない。こうした課題を解消する手段として、国や自治体が提供する補助金・助成金を上手に活用することが重要だ。2026年は制度の切り替わり時期にあたり、申請できる補助金の内容も大きく変化している。本記事では、現在使える主要な制度を整理して解説する。
訪問看護ステーション向け補助金・助成金とは
補助金・助成金とは、国や都道府県・市区町村が特定の政策目的のために事業者へ交付する資金援助制度だ。返済不要であることが最大の特徴で、要件を満たせば受給できる「助成金」と、審査・採択が必要な「補助金」の2種類に大別される。
訪問看護ステーションが活用できる制度は大きく4つに分類できる。①賃上げ・処遇改善を目的とした補助金、②ICT・DX推進を支援する補助金、③人材採用・定着を支援する助成金、④開設・運営費用の一部を補助する制度だ。それぞれ対象経費や申請窓口が異なるため、自ステーションの課題に合わせて選択することが重要になる。
また、多くの補助金・助成金は「後払い(精算払い)」方式を採用しており、費用を一度立て替えた後に申請・受給する流れとなる点にも注意が必要だ。資金繰り計画を含めた戦略的な活用が求められる。
2026年注目:賃上げ・物価対策補助金(令和7年度補正予算)
政府が打ち出した「強い経済を実現する総合経済対策」の一環として、令和7年度補正予算で訪問看護ステーション向けの賃上げ・物価上昇対策支援事業が創設された(公益財団法人 日本訪問看護財団)。
対象となるのは、2026年3月1日までに「訪問看護ベースアップ評価料」を届出している訪問看護ステーションだ。1事業所あたり22.8万円が交付され、給付金の全額を賃金改善に充てることが条件となっている。改善期間は令和7年12月から令和8年5月の半年間で、基本給または毎月支給される手当の引き上げによる対応が原則とされている。
さらに、2026年6月以降は介護報酬の改定により訪問看護事業所も処遇改善加算の対象となる予定で、補正予算による補助から加算制度への移行という形で継続的な賃上げ原資が確保される仕組みが整備される見通しだ。補助金の申請と加算の届出準備を並行して進めることが重要になる。
ICT・DX推進に使える補助金
訪問看護ステーションのICT化・業務効率化を支援する代表的な補助金として、国が実施する「IT導入補助金」と都道府県が実施する「介護テクノロジー導入支援事業」の2つがある。
IT導入補助金は経済産業省が所管する制度で、中小企業・小規模事業者を対象に業務効率化に資するITツール導入費用を補助する(IT導入補助金公式サイト)。通常枠の補助率は費用の1/2以内、上限は150万円未満となっており、訪問看護向けの電子カルテや記録管理システムなども対象となりうる。
一方、「介護テクノロジー導入支援事業」は、厚生労働省の地域医療介護総合確保基金を財源に各都道府県が実施する補助制度だ(厚生労働省 地域医療介護総合確保基金)。訪問看護計画等の標準様式を実装したソフトウェア導入に対応しており、都道府県ごとに補助率や上限額が異なるため、管轄の都道府県担当窓口への確認が必要だ。
人材採用・定着を支援する助成金
慢性的な人手不足が続く訪問看護分野では、採用・定着支援に特化した助成金も積極的に活用したい。代表的なものとして「キャリアアップ助成金」「業務改善助成金」「両立支援等助成金」の3制度がある。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、非正規雇用のスタッフを正社員へ転換した際に支給される制度だ(厚生労働省 キャリアアップ助成金)。中小企業の場合、1人あたり最大80万円が支給される。パート・アルバイトとして採用した看護師を正職員へ登用する際に活用しやすい制度だ。
業務改善助成金は、最低賃金の引き上げと合わせて設備投資等を行った事業者を支援する制度で、最大130万円が支給される(厚生労働省 業務改善助成金)。訪問用車両の購入やタブレット端末の導入なども対象経費となる場合があり、ICT化と賃上げを同時に実現する手段として注目されている。
両立支援等助成金は、育児・介護と仕事の両立支援に取り組む事業主向けの制度だ。育休取得時・職場復帰時にそれぞれ支給され、看護職の離職防止につながる。子育て中のスタッフが多い訪問看護ステーションにとって特に有効な制度といえる。
申請時の注意点と活用のコツ
補助金・助成金を確実に受給するためには、いくつかの重要な注意点を押さえておく必要がある。
まず、「後払い(精算払い)」が原則であることを理解しておきたい。事業実施・経費支払い後に申請書類と実績報告書を提出し、審査を経て振込まれる流れが一般的だ。申請から受給まで数ヶ月を要するケースもあるため、一時的な資金繰りへの影響を事前に試算しておくことが重要だ。
次に、申請期限と公募要領を必ず確認することだ。補助金・助成金は年度ごとに内容が変更されることが多く、要件・対象経費・上限額が前年と異なる場合も少なくない。特にIT導入補助金は年間複数回の公募が行われるため、最新の公募要領を確認した上で申請タイミングを検討する必要がある。
また、複数の制度を組み合わせて申請することも可能だ。例えば「賃上げ補助金」で人件費を補助しつつ、「IT導入補助金」でシステム導入費を補助するといった形で複数制度を併用できるケースがある。ただし、同一の費用に対して複数の補助を受けることは原則として認められないため、経費の切り分けに注意が必要だ。
まとめ
2026年は訪問看護ステーションにとって補助金・助成金の活用機会が多い時期だ。令和7年度補正予算による賃上げ補助金(1事業所22.8万円)、IT導入補助金(上限150万円)、キャリアアップ助成金(1人最大80万円)など、経営課題に対応した制度が複数存在する。各制度の要件・申請期限・窓口を確認し、計画的に申請することで経営基盤の強化につなげてほしい。申請に不慣れな場合は社会保険労務士や中小企業診断士など専門家への相談も有効な手段だ。
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