中央競馬馬主社会福祉財団 助成金の分析結果まとめ【令和7年度版】

中央競馬馬主社会福祉財団 助成金の分析結果まとめ【令和7年度版】

弊社では、中央競馬馬主社会福祉財団が公表した「令和7事業年度 施設整備等助成金交付額一覧(全380件)」を独自に分析し、傾向と実務に役立つポイントを整理しました。
本記事では、その中でも特に重要な「助成率の傾向」「採択されやすい助成物件」「来年に向けて狙うべき案件」について、簡潔にまとめています。


1. 全体傾向:助成率の中心は50〜60%台、高率は4件に1件

全380件を集計した結果、助成率の分布は以下の通りでした:

  • 平均助成率:約55%
  • 中央値:約57.7%
  • 70%以上の高率案件:約25%
  • 30%以下の低率案件:約20%

助成率は「高率」「中間」「低率」の三層構造となっており、内容によって大きく差が生じる設計となっています。


2. 総事業費と助成率の関係:大規模ほど助成率が下がる構造

総事業費が大きいほど助成率が下がる強い傾向が確認されました(相関係数:-0.64)。
規模別の平均助成率は以下の通りです。

  • 3,000千円以下:63.2%
  • 3,000〜6,000千円:46.2%
  • 6,000〜10,000千円:33.3%
  • 10,000千円以上:24.3%

大規模改修はどうしても助成率が落ちる一方、事業費を抑えた“小規模投資”が高率を狙いやすいことが分かります。


3. 助成物件の傾向:最も安定して有利なのは「車両」

助成物件を分類したところ、最も件数が多かったのは車両関連(福祉車両・送迎車両等)で、全体の51.1%を占めました。ただ件数だけでなく、助成率の観点でも強みがあります。

車両案件が有利な理由

  • 事業費が過度に大きくなりにくく、助成率が落ちにくい
  • 全国的に安定した採択状況がある
  • 車両更新はどの施設種別でも申請しやすい

その結果、「最も安定して高い助成率を狙える案件は車両」という分析結果が得られました。


4. 施設種別の傾向:障害分野が最多、率が高いのは児童・保育

施設種別を分類した結果は以下の通りです。

  • 障害分野:38%(平均助成率:55.1%)
  • 高齢分野:35%(平均助成率:51.6%)
  • 児童・保育分野:20%(平均助成率:58.6%)

件数では障害分野が最大ですが、助成率では児童・保育分野が最も高い傾向があります。


5. 愛知県の傾向:全国より「金額大・率低め」

愛知県内の15件を抽出して分析したところ、以下の傾向が見られました。

  • 平均助成率:46.7%(全国より低め)
  • 1件あたり総事業費:全国より大きい
  • 分野構成:障害 > 高齢 > 児童で全国と同様

愛知では事業費が大きくなりがちなため、助成率がやや低く出やすいと言えます。


6. 来年度の実務への示唆:まず検討すべきは「車両」

分析全体を踏まえると、来年度の助成申請で最も優先度が高いのは車両案件です。
助成率が安定し、金額も扱いやすく、採択実績も豊富なため、最もリターンが見込みやすい分野と言えます。

各施設で車両の更新・増車のニーズがある場合は、可能な限り早めにご相談ください。


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