【2026年6月施行】介護報酬の臨時改定とは?処遇改善加算の変更点と提出期限まとめ
【2026年6月施行】介護報酬の臨時改定とは?処遇改善加算の変更点と提出期限まとめ
厚生労働省は2026年6月、介護報酬の「臨時改定(期中改定)」を実施し、介護職員等処遇改善加算を大幅に拡充することを決定した。改定率は+2.03%で、前回2024年度改定の1.59%を上回る異例の水準だ。処遇改善計画書の提出期限は2026年4月15日に迫っており、施設・事業所は今すぐ対応を始める必要がある。本改定の変更点と事業所が準備すべき内容を整理する。
2026年6月の介護報酬「臨時改定」とは?なぜ今改定されるのか
介護報酬の改定は通常3年に1度のサイクルで行われる。前回は2024年度に実施されたため、次回改定は本来2027年度の予定だった。しかし、介護現場の人手不足が深刻化するなか、政府は介護職員の賃上げを急ぐ必要があると判断。1年前倒しとなる「期中改定」を2026年6月に実施することを決定した(厚生労働省, 介護職員の処遇改善)。
今回の改定は、基本報酬の見直しは行わず、介護職員等処遇改善加算の拡充のみに絞った内容だ。2025年12月から2026年5月までは補助金(賃上げ・職場環境改善支援事業)で賃上げを支援してきたが、6月以降は介護報酬の加算へと引き継がれる。施設にとっては、加算の届出・計画書提出が不可欠となる。
処遇改善加算の主な変更点——対象拡大と新区分の新設
今回の最大の変更点は、処遇改善加算の支給対象を「介護職員のみ」から「介護従事者全体」へ拡大した点だ。これまで事務職員や栄養士、調理員など介護職員以外には直接配分できなかった加算が、より柔軟に配分できるようになる。
また、加算の区分が見直され、生産性向上や職種間の協働化に取り組む事業所を評価する上位区分(加算ⅠロおよびⅡロ)が新設される。新区分の主な算定要件は以下のとおりだ。
- キャリアパス要件ⅠおよびⅡを満たすこと
- 職場環境等要件を満たすこと
- 訪問・通所サービスは「ケアプランデータ連携システムへの加入(または見込み)」
- 施設・居住サービスは「生産性向上推進体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)の取得(または見込み)」
新たに加算対象となるサービス(訪問看護・訪問リハビリ・居宅介護支援)
今回の改定で最も注目すべき点は、これまで処遇改善加算の対象外だった3つのサービスが新たに算定対象に加わることだ(社保審・介護給付費分科会, 2026年度介護報酬改定決定)。
- (予防)訪問看護:加算率 1.8%
- (予防)訪問リハビリテーション:加算率 1.5%
- 居宅介護支援・介護予防支援:加算率 2.1%
これまでケアマネジャーや訪問看護師は処遇改善加算の恩恵を受けられなかった。今回の改定で、ケアマネや看護職員も月額1万円相当の賃上げが可能になる。6月から初めて加算を算定する事業者は、2026年6月15日までに処遇改善計画書を提出する必要がある(厚生労働省, 介護保険最新情報 Vol.1469)。
賃上げはいくら?介護職員が受け取れる金額の目安
今回の改定による賃上げ額の目安は、以下のとおりとされている。
- 介護従事者全体:月額1.0万円(3.3%)の賃上げ
- 生産性向上・協働化に取り組む事業所の介護職員:さらに月額0.7万円(2.4%)の上乗せ
- 定期昇給(0.2万円)を含めた最大額:月額1.9万円(6.3%)
訪問介護では上位区分(加算Ⅰロ)が最大28.7%の加算率となる。この数字はサービス種別・事業所規模により異なるが、要件を満たすほど高い加算を受け取れる仕組みだ。2025年12月〜2026年5月の補助金で受けていた月額1.9万円相当の支援水準は、6月以降の加算でも維持される設計になっている。
施設・事業所が4月15日までにすべき準備
処遇改善計画書の提出期限は2026年4月15日だ(新規加算取得事業者は2026年6月15日)。期限を過ぎると6月からの加算算定ができなくなるため、今すぐ以下の対応を進めたい。
- 取得区分の確認:上位区分(加算ⅠロまたはⅡロ)の要件を満たせるかを確認する
- キャリアパス要件の整備:要件ⅠおよびⅡの体制が整っているか見直す
- 職場環境等要件の確認:取り組み実績と記録を整理する
- ケアプランデータ連携システムへの加入検討(訪問・通所系サービスの場合)
- 生産性向上推進体制加算の取得検討(施設・居住系サービスの場合)
- 処遇改善計画書の作成・提出:様式は厚生労働省のサイト(申請方法・申請様式ページ)からダウンロードできる
補助金(2025年12月〜2026年5月分)から加算への移行においては、補助金に含まれていた「職場環境改善分(月額4,000円相当)」は5月で終了し、6月以降の加算には引き継がれない点に注意が必要だ。
まとめ
2026年6月施行の介護報酬臨時改定は、介護現場の賃上げを加速させるための異例の期中改定だ。処遇改善加算の対象拡大・上位区分新設・訪問看護やケアマネへの加算新設と、変更内容は多岐にわたる。最大で月額1.9万円の賃上げを実現できるこの機会を逃さないために、まず4月15日の処遇改善計画書提出期限に向けた準備を最優先で進めてほしい。制度の詳細や様式は厚生労働省の処遇改善加算ページで確認できる。
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