【介護施設向け】現場・人材・経営をつなぐ全体構造

【介護施設向け】現場・人材・経営をつなぐ全体構造

【介護施設向け】現場・人材・経営をつなぐ全体構造

「職員がすぐ辞めてしまう」「現場は頑張っているのに経営が安定しない」「何から手をつければいいのかわからない」──。
介護施設の運営に関わっていると、こうした悩みは決して珍しくありません。

ただ、こうした問題を人手不足現場の努力不足だけで片づけてしまうと、本質的な改善にはつながりません。
介護事業は、現場・人・仕組み・外部との関係性が複雑に絡み合って成り立つ事業です。

ここでは、介護事業全体を俯瞰する考え方を、図や資料を使わず、文章だけで整理します。
「今、自分の施設はどこが弱っているのか」を考えるヒントとして読んでみてください。


介護事業の土台になる「3つの満足」

介護事業は、次の3つの満足のバランスで成り立っています。

① 利用者の満足(CS)

利用者が感じる満足は、単に「介助してもらえる」ことだけではありません。

  • 楽しみがあるか
  • 安心できる居場所があるか
  • 自分の役割を感じられるか

これらに加えて、医学や栄養学などに基づく根拠のあるケア、制度や家族背景を踏まえた社会的な納得感があることで、信頼は積み上がっていきます。

② 職員の満足(ES)

職員満足は、離職率に直結する重要な要素です。

  • やりがいや人間関係などの精神的満足
  • 無理のない働き方や健康面の身体的満足
  • 給与・休暇・通勤などの社会的満足

どれか一つだけを改善しても、他が崩れていると不満は解消されません。

③ 組織としての満足(OS)

法人・事業所としての安定も欠かせません。

  • 財政が安定しているか
  • 人材が育ち、定着しているか
  • 建物や備品などの環境が維持されているか

現場を守るためにも、経営の視点は必要不可欠です。


現場が提供している「3つのサービス」

介護サービスは、大きく分けると次の3つに整理できます。

人が提供するサービス(ヒューマン)

介護技術、接遇、声かけ、気配りなど、職員の質そのものがサービスになります。
マニュアルでは補えない部分だからこそ、育成やフォローが重要です。

環境としてのサービス(ハード)

建物、空間、食事、備品、消耗品など、目に見える環境です。
老朽化や動線の悪さは、利用者だけでなく職員の負担にも直結します。

仕組みとしてのサービス(ソフト)

日常・非日常のプログラム、業務フロー、連絡体制、システム類。
ここが整っていないと、結局「人の頑張り」で回す状態になってしまいます。


介護事業は「外とのつながり」で支えられている

介護施設は、施設の中だけで完結する事業ではありません。

  • 利用者の家族や地域との関係
  • 求人・派遣・研修など人材に関わる外部
  • 給食・建物・設備の業者
  • 職員個人を支える家族や地域
  • 会計・レセプト・医療DXなどデジタル分野
  • 役所や他事業者、地域社会

現場トラブルや経営課題の多くは、実はこの「外部との関係」が整理できていないことが原因の場合もあります。


リーダーに求められるのは「感情」だけではない

介護の現場では、どうしても「気持ち」や「思い」が重視されがちです。
もちろん共感や配慮は大切ですが、それだけでは組織は回りません。

必要なのは、

  • 知識や制度理解
  • 判断し、決める力
  • 感情に寄り添う姿勢

このバランスです。
また、管理職・フロアリーダー・ユニットリーダーでは、求められる役割や視点も異なります。


「頑張り続けないと回らない事業」から抜け出すために

介護事業が苦しくなると、現場の負担を増やして乗り切ろうとしてしまいがちです。
しかし、それは長続きしません。

利用者・職員・組織の満足がどうなっているか。
人・環境・仕組みは噛み合っているか。
外部との関係は整理できているか。

こうした視点で一度立ち止まって見直すことが、結果的に現場を楽にし、事業を安定させる近道になります。


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